「東海電子自治体戦略会議2005」に参加して |
12月7日(水)に静岡市の静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開かれた
「東海電子自治体戦略会議2005」
ICTでひろがるゆたかな地域社会を目指して に参加した時のレポートです。 |
(以前、「BUNKANフォーラム」に抄録を掲載) |
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会場: |
平成17年12月7日(水) |
主催: |
東海電子自治体戦略会議実行委員会、静岡市、静岡商工会議所、清水商工会議所
静岡情報産業協会、NPOふじのくに情報ネットワーク機構 |
後援: |
総務省、東海情報懇親会、静岡県、岐阜県、愛知県、三重県、名古屋市、浜松市
沼津市、島田市、富士市、焼津市、藤枝市、静岡新聞社・静岡放送 |
その他協力・協賛会社多数 |
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この会議は産学官民連携による自治体の情報化戦略について広く情報発信しようとするものです。 |
午前中には、TRONプロジェクトのリーダーとして世界的注目を集めている東京大学大学院情報学環 副学環長。工学博士 坂村 健 教授を招き、「人間社会を高度に支援するユビキタスコンピューティング」をテーマに基調講演がなされ、ユビキタスコンピューティングを支える基礎技術として、「バーコード」に替わる「UID」の解説からはじまり、幅広いその実証実験のいくつかが紹介されました。
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1. |
「バーコード」と「UID」 |
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コードそのものに意味をもたせた「バーコード」では、例えば日本のA社で造られたウーロン茶の [ 国・会社・商品の種類 ]は認識できますが、そのウーロン茶が100万本製造されたとすると今ここにあるウーロン茶が100万本のうちのどれなのかは識別できない。そこで13桁を倍の26桁に増やそうとの試みがアメリカで「EPCグローバル」として提唱されているが、この試みも意味コードを基本としている限り、すでに業界・企業・組織でコードに意味を付与した既存体系がある以上統一は難しいとの話しであった。
このバーコードに代表される「意味コード」に比較して、単純に固体認識番号としての役割のみ果たす「UID」コードの優位性を力説された。
利用者はNETを介しUIDコードで問い合わせることによりセンターに蓄積された情報からそのコードの属性情報が瞬時に確認でき、手元のウーロン茶が100万本のうちのどのウーロン茶なのかを知ることが出来ると言うわけです。
付与された番号が、人であれ、物であれ、場所であれ、世界で唯一の番号であることを証明する機関として「UIDセンター」が現在運営されている。
教授はこのような要素技術を全て開示することにより、意味コードでは乗り越えられなかったしがらみから、既存の組織を壊すことなく、国を越え、会社を越え、組織を越えたシームレス社会の環境が整うこと、ならびにインフラ整備の大切さを強調された。
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2. |
ICTを活用したユビキタスコンピューティングの実験 |
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最後にICTを使った実証実験のいくつかが紹介された。
- 自立移動プロジェクト( 街のIT化 )
- 食品トレーサビリティプロジェクト
- 薬品トレーサビリティプロジェクト
- ユビキタス医療プロジェクト
- 青果物物流ナビ(太田市場と)
- 農薬ナビ
- コピー機トナー回収ナビ(ゼロクス社と)
- 住宅環境(トヨタと)
また、現在開発中の案件として、「物と会話する電話機」や「トロンによる漢字外字コード」などの話もあり大変興味深い講演であった。
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3. |
文書管理とICT |
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「文書管理」の領域では、「引き継ぎ」「書庫管理」にこのICT(ICタグ)を利用して、保存文書の貸し出し管理や、書庫内の所在管理、廃棄文書の抽出管理、保存場所の最適シミュレーションなどを効率化しようとする動きも見受けられはじめました。
「統合文書管理システム」の普及とともに、「いつでも・どこでも・誰でも」と言う文書管理の理想形態が来るのは近いのかな? との感慨をいだきながら拝聴したしだいです。
午後からは分科会に別れ、テーマごとにパネリストを交えた活発な討議が行われた。
私は、「行政システム最適化」―地元で取り組むべき課題―と言うセッションに参加した。
静岡情報産業協会の小林丈記氏、経営情報システム論を専門とする静岡大学の伊東暁人教授、静岡県企画部高度情報総室電子県庁室の望月商弘主幹 の3人が講演にたたれその後パネルディスカションが有った。
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平成17年12月9日 |
NPO エイジングブライト倶楽部 |
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「文書管理通信編集室」編集主幹 中村 信幸 |
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