特集では、静岡県志太郡大井川町の情報公開制度に対応する文書管理について詳しく記載されています。
大井川町では平成12年4月1日に情報公開条例の施行を予定しています。この情報公開に対応すべく、平成9年度から文書管理改善に取り組んできました。
大井川町の文書管理は簿冊管理システムです。各課では、完結した収受文書、起案文書、施行文書を簿冊に編綴します。その際に作成年度、保存年限、簿冊名、文書分類番号、課名、簿冊番号を記入したタイトルが必ず付けられます。新しく作成された簿冊は、簿冊目録に登録されます。各簿冊の最初のページには文書目録が綴じられます。文書目録には、簿冊に収載されている順に文書タイトルが記入されます。
文書の分類は大分類、中分類、小分類により簿冊番号が付番され、細分類により簿冊単位に分けられます。細分類名は簿冊名と一致します。(資料6)
移し換え・置換えの作業は毎年4月に行われます。移し換えは、保存期間5年以内の文書を各課の保管場所から各課の保存庫に移し換える作業で、置換えは、保存期間10年以上の文書を総務課へ移管する作業です。
廃棄については、各課で保存している保存期間5年以内の文書は、各課で廃棄処分を行ない、簿冊管理台帳と文書目録を総務課に提出します。保存期間が10年以上の文書は、廃棄通知書を作成し、各課に配布し確認を行った上で、保存期間を延長する文書以外の文書を廃棄します。
そして、毎年4月に新人職員を対象に全体研修、6月には総務課が中心となって各課を廻る巡回研修を行っています。
大井川町によれば、文書分類表ができたことにより、簿冊単位での検索が可能となり、平成12年度からの情報公開条例施行に対応できるようになったとのことです。
今後の課題としては、大井川町では、文書分類表をより良いものとし、文書を適切な分類によって簿冊に綴り、それらを簿冊単位で確実に検索できるようにすることが重要であるとしています。
大井川町は、このあと平成20年11月1日焼津市と合併します。焼津市では、本誌5号(平成4年5月)に紹介したように、平成4年10月に焼津市公文書公開条例が施行されました。市町村が合併する場合、お互いの文書管理システムが異なる場合には相当な苦労が予想されます。実際はどうだったのでしょうか。
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