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文書管理通信第31号

第31号は「地方自治体における電子情報記録媒体の管理(V)」です。
平成9年に入り、国の電子化情報化に次々と新しい動きが現れました。
平成9年といえば、今では普通になったETC(Electronic Toll Collection System)が試験的に運用を開始した年です。ETCは開始当初はこれほど普及するとは誰もが考えもしなかったと思います。それ以上に文書の電子情報記録媒体について普及はもちろんのこと、媒体自体が目まぐるしく変化してきました。第31号に登場する「フロッピーディスク」は、平成29年ではもはや過去の媒体です。
この年に、「霞が関WAN」の運用が開始されました。これは各省庁のLANを相互に接続した省庁間ネットワークです。
当時、地方自治体の情報が記録されている媒体は、紙、マイクロフィルム、電子情報記録媒体です。この中で、文書管理の対象から外されている媒体が、電子情報記録媒体です。その電子記録媒体を作成段階から一元管理していく方法は可能であり、最も現実的な方法でしょう。
電子情報記録媒体の管理には紙と異なる条件が必要となります。その中でも重要なものは「可視性の維持」と「安全対策」です。
電子情報記録媒体は、ハードウェア、ソフトウェアを超越し、世代の差を超越して電磁的記録へのアクセスを可能とする技術体系が必要です。
安全対策とは、データの流出を防ぐことです。
個々の電子情報記録媒体の組織における価値を明確に定めるためにも記録管理という発想が求められています。

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文書管理通信第32号

第32、33号の特集はクライアント/サーバによる文書管理システム(T)―足立区―です。前号までの3回で、「地方自治における電子情報記録媒体の管理」について特集しました。その記録管理の実際のモデルとして足立区が紹介されています。
かつて足立区では、昭和58年に3年かけて全庁にファイリングシステムを導入することに決定しました。そしてそのシステムを維持管理するために、各課の庶務課長を文書ファイリングの文書取扱主任とし、各係に「ファイル取扱者」を置きました。保管文書の移換え及び置換えは、毎年度末に行ない、保存文書については保存年限別に区分し、総務課へ引継がれます。その他、優秀な職場の表彰や、文書事務研修の充実を行なっていました。その後の課題として、@ファイル基準表の見直し、Aファイル基準表、ラベルの件名表示等のOA聞き処理化、B維持管理の定着向上努力を挙げました。
これらをふまえ、足立区は昭和62年以降文書管理のOA化についても約10年間ファイリングシステムを続けてきました。
しかし、足立区が構築した文書管理システムは、発生した瞬間からの文書の一元管理です。平成8年度の新庁舎移転にともない、全庁LANのネットワーク化を実現し、全く新たな文書管理システムを構築しました。(詳細な構成図が収載されています。)
足立区文書管理システムの機能は、【文書処理機能】、【情報公開支援機能】、【定型文書管理機能】、【文書検索機能】、【ファイリング基準表管理機能】、【移し換え、置き換え機能】、【保存文書庫管理機能】、【資料・文書管理機能】、【システム管理機能】があります。
操作方法等詳しくは第33号で説明します。

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