特集は、「文書館の紙資料保存−理論と実践−」です。著者はアラン・カルメス、ラルフ・シェーファー、キース・R・エバーハートです。日本語訳は、前号でも紹介しました、有限会社キャットの木部徹氏です。
ここで述べている資料保存戦略は、本来は規模の大きな施設(書架総延長約3,000メートル以上)のために考案されたものですが、採用されている基本方針―慎重に計画をたてる、保護容器に資料を収納する、原資料の代わりに複写物を利用に供する、利用時に資料の状態を点検する、専門的な保存手当を適用する―は他のどのような文書館であっても有効です。
文書館にある資料の単位は記録資料です。これは、紙のタイプ、メディア、大きさ、状態などの点で非常に多様です。
文書館資料にとって唯一安全な大量資料保存技術は、資料を注意深く容器に収納することと、環境制御された保管空間の中に保管することです。脱酸素技術を適用する場合には、溶剤または高熱によってダメージを受けると思われる資料を除くというような慎重な選別が必要です。
文書館はそれぞれに違っているし、そこにある資料の状態も状態の組合せも様々です。それぞれが置かれている状況についてシステマチックに調査を行ない、適切な資料保存戦略を開発すべきです。
図5紙資源保存のモデル・プランにおける、資料の状態に応じた一般的な方策にまとめたように、このモデル・プランは、文書館に紙資料保存の現実的な目標設定の枠組みを提供できるでしょう。包括的な戦略は乏しい資源を有効に利用して記録資料を保存するための、慎重な計画立案の必要性に基づいています。
英文の訳文だからでしょうか、難しい表現が多く、本質を見失ったという思いが残ってしまいました。私が学術的な表現に不慣れなせいだと思いますが、もうすこし深く理解して、わかりやすいレビューが書きたいと思いました。
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