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文書管理通信第27号

第27号の特集は「紙」です。
「紙」については、以前本誌において10回にわたって連載した「“紙”問題を考える」をその後知り得た情報も加え今回増補、改訂を行いました。また、後段は、紙資料の保存分野において最新の化学的裏付けと多くの経験を蓄積されている有限会社キャットの木部徹・鈴木英治氏にお話を伺いました。
紙は、中性紙・酸性紙、100%バージンパルプから抄造した紙・再生紙、上質紙・中質紙等様々に分類されます。
紙の劣化には、変色、強度の劣化、酸性劣化があります。酸性劣化とは、サイズ剤の定着に使用している硫化アルミニウムから発生した硫酸イオンが紙の成分である、セルロース、ヘミセルロースを分解し分子レベルで紙を破壊することと言われています。しばしば、酸性劣化と混同されるものに酸化による劣化があります。紙の酸化とはセルロースが酸素と結びつくことです。この結果、最終的にはセルロース分子内に酸性物質が生成されます。つまり酸化も最終的には酸性劣化に結び付いてゆくのです。
紙の保存については、中性紙を選択し、文書保存箱に入れて55%RH、20〜25℃に設定した書庫で保存する、これが、紙の保存性に留意した最も現実的な方法ではないでしょうか。
しかし、現在環境設定が可能な書庫をもっている自治体はどれくらいあるでしょうか。だからこそ、中性紙を選択することがより重要になり、文書を保存箱に入れる方法が注目されるのです。
木部・鈴木両氏にきくでは、中性紙の種類について、公文書に使用するべき紙について、マイクロフィルムと紙文書を同じ書庫で保存する場合についての質問の回答が記載されています。
木部氏によれば、多くの自治体で再生紙が使用されています。再生紙に関しては、まだまだ酸性紙の比率が高いのです。役所でつくられた公文書が数年で文書館に移管される状況であれば、脱酸処理を行うこという対策が取れますが、役所の書庫で永年保存文書が保存される現状では、酸性紙は劣化してしまいます。それならば、最初から脱酸処理の必要のない中性紙を使用するべきでしょうと述べています。

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文書管理通信第28号

特集は、「文書館の紙資料保存−理論と実践−」です。著者はアラン・カルメス、ラルフ・シェーファー、キース・R・エバーハートです。日本語訳は、前号でも紹介しました、有限会社キャットの木部徹氏です。
ここで述べている資料保存戦略は、本来は規模の大きな施設(書架総延長約3,000メートル以上)のために考案されたものですが、採用されている基本方針―慎重に計画をたてる、保護容器に資料を収納する、原資料の代わりに複写物を利用に供する、利用時に資料の状態を点検する、専門的な保存手当を適用する―は他のどのような文書館であっても有効です。
文書館にある資料の単位は記録資料です。これは、紙のタイプ、メディア、大きさ、状態などの点で非常に多様です。
文書館資料にとって唯一安全な大量資料保存技術は、資料を注意深く容器に収納することと、環境制御された保管空間の中に保管することです。脱酸素技術を適用する場合には、溶剤または高熱によってダメージを受けると思われる資料を除くというような慎重な選別が必要です。
文書館はそれぞれに違っているし、そこにある資料の状態も状態の組合せも様々です。それぞれが置かれている状況についてシステマチックに調査を行ない、適切な資料保存戦略を開発すべきです。
図5紙資源保存のモデル・プランにおける、資料の状態に応じた一般的な方策にまとめたように、このモデル・プランは、文書館に紙資料保存の現実的な目標設定の枠組みを提供できるでしょう。包括的な戦略は乏しい資源を有効に利用して記録資料を保存するための、慎重な計画立案の必要性に基づいています。

英文の訳文だからでしょうか、難しい表現が多く、本質を見失ったという思いが残ってしまいました。私が学術的な表現に不慣れなせいだと思いますが、もうすこし深く理解して、わかりやすいレビューが書きたいと思いました。

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