特集は、新潟県のファイリングシステム−その導入と維持管理の記録−本多陽子 です。
本多陽子氏は新潟県立文書館の立場で、公文書整理の「出所の原則」「原秩序尊重の原則」を念頭に置きつつ、新潟県のファイリングシステムについて、その導入および維持・管理の概要を記録として残し、将来の公文書整理の一助とすることを目的としたものです。
新潟県では昭和45年度から52年度にかけて、ファイリングシステムの導入を全庁的に行いました。ファイリングシステムの導入はそれまでの「とじこみ式(簿冊)」による文書整理から基本的には文書を綴らない「フォルダー方式」への移行という形態上の変化のみならず、文書の発生から廃棄までを一貫して管理するという制度上の大きな改革でした。
システムの導入にあたっては、「上からの押しつけではなく職員一人一人が作り上げていくシステムであることを理解してもらうこと。また、未知なるものへの不安を取り除くことが仕事であった。」と当時文書課長だった宮崎氏は述懐されました。文書広報課は昭和46年度の成果を1 不要文書廃棄の徹底 2 執務環境の著しい改善 3 文書管理体制の確立(文書の私物化の排除)4 事務改善意欲の向上としています。
ファイリングシステムはすでに25年を経過しようとし、当初のシステムと比較してみると処々に手直しが加えられています。文書の分類については平成6年にツミアゲ方式に一部ワリツケ方式を組み合わせて運用することになりました。保存年限とその起算方法も改正が加えられています。また、OA化の推進とともにパーソナル・コンピュータによるファイリングシステムの支援システムが作成されていることも大きな変化です。
平成6年2月「文書事務改善推進要綱」が定められ、行政文書のA判化、敬称の変更をはじめとする文書事務改善が実施されています。今後とも、この文書改善については、全体の推移を注視してゆく必要があるでしょう。
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