平成5年11月6日、全国21番目の文書館として神奈川県立公文書館が開館しました。
しかし、神奈川県の歴史的公文書等の収集・保存の歴史は、昭和42年の「神奈川県史」の編集に始まります。ここで収集した膨大な資料を保存、閲覧するため昭和47年8月神奈川県立文化資料館を開館しました。この神奈川県立文化資料館が文書館的な役割を果してきたのです。
神奈川県立文書館の特徴の第一は公安委員会を除くすべての保存文書から歴史的価値を有する公文書を収集しているという点です。第二は、10年30年の保存文書を保存期間が満了するまで保存する中間保管庫を備えているということです。
公文書館で資料を閲覧する場合重要なのは、検索方法です。図書館と違い文書館では「○○に関する情報が欲しい」という利用者が多い。そのため、「公文書館情報管理システム」を開発しました。このシステムでは、外部委託によって登録されたデータにより、自然語検索、メニュー検索、コード検索が可能となっています。
神奈川県立公文書館は、最新の設備で、史料の保存にも万全を期しています。館内の空調は書庫も含め完全な集中管理によって22℃、55%RHに保たれています。更に、紫外線をカットした照明器具、中性紙でつくられた保存箱やタトウ、桐箱が使用され貴重な古文書を劣化から守っています。
神奈川県には平成3年、神奈川県歴史資料取扱機関連絡協議会(神史協)が結成されました。この協議会は平成7年1月現在、神奈川県内の文書館、資料館、図書館、市町村史編纂室、庶務課(係)等33の機関から構成されており、今後は、神奈川県立公文書館がキーステーションとなり、神史協の中心的な役割を果していくと期待されています。
連載・文書管理用語定義集(第9回)では、「光磁気ディスク」「地方文書館」「地域文書館」「地域の中の文書館」「再生紙」「上質紙」「セミ上質紙」です。「地域の中の文書館」の実態がわかりにくいです。寺院、大学の所有している資料館のようなものを指しているのでしょうか。
連載・“紙”の問題を考える(第10回)では、再生紙の保存性についての記事です。
再生紙の強度低下は機械パルプより化学パルプで著しく、化学パルプの劣化の原因は、リサイクルされるごとに、ケバ立ちが少なくなり、角質化をおこすことにあります。
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