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文書管理通信第17号

第17号の特集は「栃木県立文書館 市町村文書保存担当者講習会」です。
この講習会は平成6年9月1、2日に栃木県内市町村の文書保存担当者を対象に栃木県立文書館が主催して開催されたものです。
内容は、1日目が「本県のファイリングシステム」「文書館の歴史的公文書の受け入れと整理方法」「公文書の生涯学習利用を図るために」、2日目が「古文書の調査及び整理方法」「文書の寄託・寄贈制度」「古文書の伝存と保存」となっています。
八潮市立資料館館長遠藤忠氏は、県とその市町村は文書管理についての役割分担の必要性について述べています。地域文書館(市町村)と地方文書館(都道府県)は機能の分化を図る必要があります。史料の「現地保存の原則」からも、本来その史料があった場所、地域において史料を保存していくことが望まれます。
そして史料の保存には文書館が不可欠です。しかし、史料保存や文書館にたいする一般市民の理解もまだ充分ではありません。ここで必要なのが、史料を保存する立場にある機関、組織、職員のネットワークです。この講習において栃木県内における史料保存ネットワークの確立を望む声が上がりました。これは栃木県内市町村が第二の段階に入りつつあることを意味しているのではないでしょうか。

銀−ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法
現在、劣化してしまったセルロースマイクロフィルムをもとの状態にもどす手だてはありません。それだけに劣化を起こさせない保存環境が重要になってきます。
1994年4月、JISの「銀−ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存法」が改正され、7月31日付で財団法人日本規格協会から発行されました。この改正は、対応するISO規格の改正に伴い、その内容と突合させたものです。

連載“紙”問題を考える(第9回)では再生紙についてです。
再生紙の利用状況としては、1990年時点で47都道府県ではほぼ100%、市区町村では約半数が使用中もしくは使用予定ということです。
再生紙とは何かという定義は存在していません。古紙パルプを使用した紙が再生紙であるとは言えますが、その含有率についての規定はありません。従って、現在市場に出回っている再生紙の古紙含有率は1〜100%を様々です。一方、古紙含有率が50%以上のものを再生紙であるという主張もあります。
ここで問題になるのは再生紙の劣化についてだと思われます。再生紙の保存性については連載“紙”問題を考える(第10回)に載っています。

 

 

 

 

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文書管理通信第18号

特集は「文書管理実態アンケート 埼玉県」です。
静岡県沼津市で実施された平成6年度視察研修会で、文書管理実態調査アンケートを実施しました。
アンケートにご協力下さったのは、埼玉県地域史料保存活用連絡協議会のメンバー33市町村36人で総務課、資料課(室)、市町村史編纂室、資料館等の職員の方々です。
埼玉県地域史料保存活用連絡協議会は1974年9月27日に発足しました。年2回の実務研究会をはじめ、講演会、講習・研修会、『地域文書館の設立に向けて』の刊行等幅広く活発な活動を展開しています。
今回行ったアンケートは、ファイリングについて、史料保存について、情報公開についてです(全9問)。なかでも他県との差が最も大きいと思われるのが、4、廃棄対象文書から歴史的文書を選別し、保存していますか、という質問です。
埼玉県では33の市町村のうち約52%が実施または検討中となっています。これは驚異的な数字です。なぜなら、まだまだ、市町村レベルで文書館を設置するところが少なく、文書館の無い市町村で実際に史料の選別を行っているのはごく少数だからです。
埼玉県内市町村の歴史資料に対する対応の先進性がうかがえるアンケート結果でした。

続いて、情報公開に向けて藤枝市の取り組みです。
平成6年11月1日現在、全国で情報公開制度を実施しているのは、43都道府県(91.5%)、217市町村(6.7%)です。静岡県藤枝市は平成7年4月1日に予定している条例による情報公開制度施行に向け、文書管理の見直しを行なっています。
従来の文書管理の結果、地下倉庫には保存する必要のない文書か保存され、書架に収まりきらない文書は通路等に置かれていました。これらの問題を解決し、文書の作成から廃棄に至る流れをシステム化すべく、藤枝市は新たなファイリングシステム構築の取り組みを開始しました。まず、文書調査が行われ、永年保存文書うち保存となったものが約800箱、廃棄となったものが約250箱、廃棄となった文書のうち歴史的価値を有する文書が約100件となりました。この先、有限保存文書の調査にも取り組む予定であるとしています。
そして、新たなファイリングシステムにも取り組み、平成7年度に本庁、平成8年度以降には出先機関が導入する予定となっています。
藤枝市の情報公開制度では議会文書も対象となります。これは、静岡県内で初めてのケースです。

インフォメーションのコーナーでは、栃木県国分寺町、鹿沼市の町史、市史編纂事業について紹介しています。

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