この号で取り上げているのは、藤沢市の文書館です。藤沢市文書館の高野修館長は自ら藤沢市文書館の設立に立ち会われ、のち館長に就任されました。また、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会の運営委員長をつとめられている司史料保存の権威です。
藤沢市の文書館は昭和49年で市町村レベルでは全国で最も早い設立でした。市政30周年を記念した市史編纂事業をきっかけとして、設立された文書館の役割は、1.行政の記録を残す。1.古文書等地域記録資料の保存継承をはかる。1.藤沢市の歴史を知るための事業 1.歴史、行政情報の提供となっています。
そのなかで、1.行政記録を残す役割について、特筆すべきは、起案の翌年原課で保管された文書は文書課ではなく文書館に引き継がれ、文書館によって保存、管理されるということです。この管理が徹底しているため、藤沢市では対象の保存文書の検索に1分とかからない(早い!)そうです。
文書の保存については、紙の保存に留意しつつも紙が消滅してしまった場合の対策として文書のマイクロ化をすすめています。これまで、多くの古文書をマイクロ化してきましたが、今は1940〜1955年の永年保存文書をマイクロ化しています。
藤沢市文書館は、保存文書の管理だけで3人を配置しています。それは、いかに藤沢市文書館が公文書を重要視しているかのあらわれでしょう。
藤沢市が保存文書の管理を文書館に任せたのは市にとっても文書館にとってもまた、市民にとってもまことに合理的な選択といえます。
文書管理用語定義集(第3回)は、ファイル、ファイリング、ファイリングシステム、文書管理、文書管理システム、保管文書、保存文書について、定義しています。
“紙”について考える(第4回)
紙の劣化は白色度の低下と強度の低下ですが、今回は強度の劣化について説明しています。
酸性紙の劣化は、硫酸アルミニウムによる、酸加水分解だけではなく、硫酸の脱水作用によるとされています。文書管理通信第10号全部をPDFでご覧になりたい方はこちらへ!
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