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トップ 特集記事 > 3.3) 併用の理由

3.2つの文書管理システムの併用
3) 併用の理由
 


統合文書管理システムのメリットは、文書の発生時点から電子的に管理を行ない、高度通信技術を基盤に事務効率を向上させるという点にあり、この部分が文書管理事務全体の中で占める割合は大きなものです。このメリットによって今後大きな事務改善効果がもたらされることは言を待ちません。

 一方、静岡市では毎年実に40万件近い新規案件が発生し、およそ15,000の簿冊(約18t)が廃棄されます。 この紙の量、重さたるや相当なもので、実際に文書管理に携わる担当者の誰しもが感じ、また効率化を望む部分ではないでしょうか?

2つのシステムは、開発の目的が異なるためそれぞれ重点の置き方が違います。
保存文書管理システムは、元来紙文書の管理の視点からソフトが製作されているのに対して、総合文書管理システムは文書の電子決済と回議、電子的情報の送達の側から組み立てられているソフトであるように思われます。

このことから
「保存文書管理システム」は、文書管理担当者が日々行っている引継ぎや廃棄、書庫管理事務の実際の流れを意識し、細部が構成されているのに対して、
「統合文書管理システム」では、同様に引継ぎ事務や廃棄事務をカバーはしているものの、現実の文書管理事務に密着しなければ発想できない紙文書管理の実務支援への観点が欠けているように思われます。

例えば・・引継ぎ目録を単に出力するだけではなく、引継ぎ確認を原課に対して行う過程をソフト上に表現したり、さらには文書庫内で職員が体力・腕力を使って行う保存箱の移動まで意識したシミュレーション機能などです。
(システムによっては出来ているものもあるかも知れませんが)

その点、保存文書管理システム「文継」は、実務に即し自庁にあわせた具体的なイメージで、保存文書の貸出し・返却、保管場所の移動、廃棄、収納等の管理が行える使い勝手の良いソフトであり、少なくとも現時点の「統合文書管理システム」ではカバーされていない部分を補って余りあります。

このように、「統合文書管理システム」と、「保存文書管理システム」は、互いに補完的に連携して利用されることによって、より高い業務改善効果を上げ得るものだと考えられます。

将来的には、このような機能を盛り込んだ「統合文書管理システム」が出てくるものと思われます。しかし保存文書管理は、市区町村によって管理手法が大きく異なる部分でもあります。 それゆえ文書管理システムに求められるカスタマイズの要求は多種多様となるため、この求めに応じて大型のパッケージソフトをカスタマイズするのは費用面で大きなネックになるものと考えられます。

その点「文継」は、小型で保存文書管理に焦点が絞られたソフトであることから、カスタマイズ費用も小額で済みます。 
視点の異なる2つのソフト機能から考えると、現在のところ、あえて統合文書管理システムの保存文書管理支援機能を「文継」に近づけるカスタマイズを行うより、2つのソフトを併用し重複作業部分をなくす対応を行う方が懸命で現実的な対応であると考えます。
その意味で「文継」又はこれに類するソフトは、今後も長く保存文書管理専用の最適ソフトであり続けるようにも思えます。

   
 
   
 
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