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Q9

現在、歴史的な資料としての評価選別作業は行われていますか。当てはまるもの1つをお選びください。
 □ 実施している
 □ 今後実施する予定
 □ 現在のところ実施する予定はない
 □ その他(                                )
 
 
  「D.その他」
 
現在検討中または検討予定。    (4件)
各主管課または原課の判断による。(2件)
平成17年度より3ヶ年計画で公文書適正化事業を実施中。
昭和30年以前の文書について一部行っている。
厳格な選別ではないが、この視点をもって廃棄するようにしている。
保存年限10年を超えるものを廃棄するときは注意するよう各課に要請している。
その他(4件)
 
   「C.現在のところ実施する予定はない」と回答した団体が56%と半数を超える結果となりました。公文書館法・第3条で「国及び地方公共団体は、歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関し、適切な措置を講ずる責務を有する」と規定されていることなど、各市町村において歴史的な資料を見極める評価選別作業を実施することが求められているのは周知のとおりです。

 しかし、いざ実施するとなると、公文書(特に3年、5年などの有期限保存文書)の中のどのようなものを歴史的な資料として選定すれば良いのかという明確な基準がどこにも存在せず、また自ら明確にすることも困難な状況だと思われます。

 また仮に何らかの基準をもたれているとしても、有期限保存文書の件数は膨大であり、かつ毎年繰り返して実施する必要があり、公文書館とアーキビストを持たない団体では、現実的にはほぼ不可能といってもよい状況ではないかと推測します。

 当編集室の狭い知見の範囲内での観察に過ぎませんが、実施しているとされた団体でも、実は退職した中学校の日本史の元教師の方にお願いして見てもらっているとか、市町村史編纂室のスタッフの方に見てもらっているとかのケースであって、しかしながら点検すべき件数が余りに多く、結局ほとんど実体としては点検がなされていない状態で廃棄をせざるを得ない状況のようです。

 果たして、遠い将来の歴史家の視点で、3年〜10年の保存公文書の中から必要な文書を選別することが本当に可能なのか、残念ながら当編集室としても明確な答えは見出せません。

 結局のところ、全ての公文書を永年保存することが最良の解決となるのではないかと思われますが、これでは保存スペース、保存コスト面で非現実的と言わざるを得ません。最終的な解決は、今後全団体に導入されるであろう「電子的文書管理システム」によって、全ての発生文書、収受文書が図面等を含めて電子化され、その全てについて保存年限を定めず電子媒体若しくは電子媒体からマイクロフィルムに安価に落とされたものを永久的に保存する形にならない限り、問題は解決しないのではないかと、当編集室は考えています。

  実施していると答えられた20%(45団体)、今後実施予定と回答された団体18%(40団体)にあっては、どのような基準で選別されているのか、あるいはされようとしているのか興味のあるところですが、今回のアンケートでは残念ながらこれを明らかにすることは出来ませんでした。

 ちなみに、図表9−1−2は、実施している(A)+実施予定(B)の団体、予定無し(C)の団体を、人口別に表示したものです。

 人口が多くなるほど、A+Bの比率が高くなることが見て取れますが、このことは大きな規模の団体では、公文書館が存在するとか、あるいは選別に要する人員の確保が(規模が小さく職員数が少ない団体より)容易であるなどの理由によるのではないかと推測されます。

Q9-2
[Q9で「実施している」、「今後実施する予定」と回答した方のみ]
評価選別作業の対象となる文書には、合併前の各団体ごとに保存していた文書も含まれていますか。当てはまるもの1つをお選びください。
 □ 含まれている
 □ 含まれていない
 □ その他(                                )
 
 
  「C.その他」
 
未定
 
   Q9で歴史的資料の選別を実施又は今後予定しているとされた団体において、なお9%の団体が、合併前の資料を選別の対象としていないことがわかります。

 どのような理由であるかは不明ですが、旧団体(支所)分は各々の書庫に収まっていて安定的であるので、現在は(人的パワー等の理由で)選別対象としていないが、いずれは対象とする、といった理由であるのかもしれません。

 

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