図表4-2は、「首長、助役」について「A.重要視している」と回答した団体と「B.重要視していない」と回答した団体が、それぞれ「一般職員」についてはどう回答しているのかを表しており、「首長、助役」と「一般職員」の文書管理に対する姿勢が相関関係にあることが読み取れます。
また、一般職員において(1)では「A.重要視している」、(2)では「B.重要視していない」の回答比率が、どちらも図表4-1における通常の一般職員への回答比率に比べ、大幅に高くなっています。
より良い文書管理体制の構築において、トップの文書管理に対する関心が強いか否かは組織全体の文書管理への取り組み姿勢に大きく影響しており、庁舎内における意識の向上に繋げるために率先してその意思表示をすることが必要であると言えます。
A文書管理主管課に対してBもしくはCと回答した20%について
文書管理主管課は、庁内全体における文書管理に関する運営、指導、調整などを行う立場にあり、今回Aの回答率が80%と最も高くなったことは当然のこととして、重要視していない(B)、どちらとも言えない(C)と回答した20%の文書管理担当者について、編集室としてどのように理解したら良いのか判断をつけかねるところです。
ここでBもしくはCと回答した20%の団体が、どのような共通点を持った団体なのかを知るために、他項の設問への回答を分析したところ、Aと回答した団体と較べて大きな相違は無く、目立った傾向を見出すこともできませんでした。
あくまで想像ですが、文書管理主管課内においても、「より良い文書管理体制の構築の必要性」を感じている職員もいれば、必ずしもそうではない職員もいるといった状況が有り、このため担当者個人ではなく課としての回答としては、「どちらとも言えない」、または「重要視していない」とせざるを得なかったのかもしれません。
(もう1つ想像できるのは、文書管理担当者(課)としては、既に自庁は「より良い文書管理体制を構築している」と自負されているケースです。あまり考えにくいケースですが。)
B「首長、助役」と「一般職員」における「A.重要視している」への回答率について
「首長、助役」と「一般職員」への回答では、どちらも「C.どちらとも言えない」との回答が最も高く、「A.重要視している」への回答は、30%〜40%になります。
首長、助役についてCとした回答は、回答者である職員の立場から、「首長、助役」の意見を忖度しにくい(あるいは単純に首長や助役の意見が如何かを知らない)という事情も有ってのことかもしれません。
一般職員についてCとした回答は、一般職員という漠然とした範囲の方々の中には、重要視している人もいればそうでない人もいて、その比率を明示することも困難であるため、「どちらとも言えない」と考えられ回答されたケースも多かったものと思われます。
ただし、「一般職員」については、Aと回答した団体が30%〜40%に上ることにも大いに注目しなければなりません。
首長、助役、文書管理担当課にとどまらず、一般職員を含めた全庁で、より良い文書管理体制を構築してゆくことの重要性を認識している団体が、これだけの割合で存在する事実は、孤軍奮闘してより良い文書管理を目指そうとしている多くの文書管理担当課、もしくは回答者にとって、将来に向けた希望を感じさせるものではないかと、編集室では考えています。 |