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<最後に>
   当初予定していた期限に大幅に遅延してしまいましたが、ようやくアンケート結果の分析を終えることができました。アンケートにご協力をいただいた多くの団体のご担当職員の皆様方に改めて御礼申し上げます。

 さて今回のアンケートでは、アンケート全体を通して一体何が明らかになったのでしょうか?
と言いながら、本アンケート自体、「合併における文書管理」というキーワードで、文書管理分野の多岐にわたる課題に対して設問を行ったものであることから、全体を通して何が明らかになったのかを書く事はなかなかむずかしい面があります。

 このため、各設問から明らかになった、あるいは推定された事柄を以下に羅列して結語に変えたいと思います。

1. 昭和の大合併時に行われた、今回の平成の大合併でも危惧されていた、(歴史的公文書選別無しでの)文書の大量廃棄については、(国や県から全合併団体に出されていたはずの通知に対する認識が低かったにも関らず、)この種の廃棄を行った団体は、ほぼ皆無であった。

2.

文書管理の合併統合の重要性に関する首長の認識が高い団体では、一般職員の認識度も文書管理主管課職員と同レベルまで高かったが、逆のケースでは、非常に認識度が低くなることが明らかとなった。

3.

合併特例法が時限立法であり、合併統合事務にかけられる時間が短かったことが、文書管理統合の分野でも大きく影響している。文書の保存場所確保や保存文書の目録化による把握などの面で、十分な整備を行える時間が無く、合併後に継続して実施されている状態にある団体が多いと想定される。

4.

上記3にも関連するが、旧団体の保存文書は旧団体での保存の状態のまま保存されているケースが多数を占める。保存場所の問題もしかりだが、ファイリングのルールそのものも、必ずしも1つの方式に統合化されていないケースも多いことが推測される。

5.

文書管理主管課職員の配置は、本庁集中配置、各支所(旧団体)ごとに分散配置がほぼ同じ割合を占めている。

6.

情報公開窓口も、本庁集中、各支所分散がほぼ同じ割合を占めている。

7.

歴史的資料の選別を行っている又は今後実施予定としている団体が38%を占め、逆に実施の予定無しの団体が56%を占めている。

8.

保存文書を目録などで全て把握できている団体は全体の29%で、一部把握できている団体を加えると73%に達する。一部把握と回答した団体では、旧団体における把握状態がそのまま反映されていることが推測される。旧団体で把握ができていなかった保存文書を、短時間の合併統合の中で目録化するなどの余裕がなく、そのまま抱え込んでいる状態であり、合併後に実施すべき課題とされていることが推定される。

9.

合併時点で、全庁を対象に電子的文書管理システムを導入した団体は約30%(66/224)であった。しかしこの内、13%の団体が合併後の文書管理の状態が悪化したと答えており、また合併前の旧団体分も含め全庁における保存文書について全て把握できていると回答した団体が30%弱に留まっていることから、同システムの導入が、必ずしも文書管理事務の改善に結びついていないケースもあることを示している。

10.

上記9の電子的文書管理システムで利用可能な機能は起案文書作成と答えた団体が多いが、電子決裁まで行っている(あるいは機能を購入している)団体はそれに較べ少ないという傾向が観察できる。
少数ではあるが、LGWANの利用、情報公開支援機能の利用に絞ってシステムを導入していて、起案文書の作成もシステム上では行っていない団体も存在する。

11.

現在、電子的文書管理システムが未導入である団体では、内60%の団体が今後導入を予定又は検討していると答え、また導入予定の年度が確定している団体の大部分が、導入時期を今後の3年以内と回答している。
おそらく、今後5年間で全国の市区町村に電子的文書管理システムがかなりのペースで普及していくことが予想される。

12.

電子的文書管理システムの有用性やその意義に関する認識は、システム未導入である団体にあっても高いものと思われる。

13.

合併後の時点で、文書管理が以前より改善されたと回答されている団体が31%、逆にむしろ悪化したとの回答が15%あった。

14.

他の合併事務に較べて文書管理統合事務が最優先もしくは優先されたと回答した団体では、合併後の文書管理の状態が「改善された」とする団体の比率が高く、優先度が低かった団体では「むしろ悪化した」と回答される比率が高い。

15.

「改善された」、「むしろ悪化した」の具体的内容は、保存文書の「集中管理」や「全庁的な保存文書の把握」などの分野に関るもの、もしくはこれを含むものであると推定される。

16. 文書管理主管課職員が、今後取り組むべき課題として考えているのは、「情報公開請求へのより良い対応」、「紙の文書管理方法の整備」、「紙文書量の削減」、「電子的文書管理システムの構築もしくは整備」である。特に「紙文書量の削減」は最も大きな問題として認識されている。

 

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