本年7月1日付で、地元北海道に所在する地方自治体の皆様にご案内を差し上げました。
各団体のホームページを拝見し、お問合せフォームを利用するか、もしくは掲載されているお問合せ用メールアドレス宛に、編集室だよりNo.54にps.皆様への依頼文として挙げているもの()をメール配信させていただきました。
送信先の見当たらなかった数団体、お問合せフォームは立ち上がったものの結果的に送信できなかった2団体、および、以前主幹である渡邊がお世話になりました数団体を除き、総数は162団体に上ります。
既にご返信いただいた皆様、現在ご返信途上にある皆様には、参議院選挙も抱えてのお忙しい中お手を煩わすこととなり大変心苦しく思っております。
(以下この件に関する反省とお詫びです)
実は、送付後、早速ご返信いただいた方の中に、依頼のメール文に関して、「筆者がどのような立場で何を目的としてこれを進めているのかわからない」、或は、「個人的な興味・関心で行っているのかも」などの手厳しいご意見をいただいています。
過去の編集室だよりに書いてあり、読んでいただいているという思い込みで文書を作ってしまったことが原因です。仮に、編集室だよりを読まれていた方であっても、内容的に十分な論を展開していたわけではなく、これを以て理解されていたと考えるのは傲慢極まりなかったと猛省しております。
以上の理由で、今回「文書管理通信」がなぜ皆様にメールでご質問させていただいたか、あるいは何を明らかにしたかったのかについて、ここで改めてお話しさせていただきます。
(以下今回のメールによる調査の目的)
町村で、文書管理をご担当されておられる何人かの方たちから、近年、以下のような悩みをお聞きする機会が何度もありました。
「新庁舎移転を控えていて、新庁舎での文書管理に充てられるスペースは、それ以前より大幅に削られる見込みであるため、緊急に現存する文書量を大幅に縮小することと、新庁舎では狭くなることが確実なスペースでも適合し、また長期安定的に維持することが出来るファイリングシステムを構築したい。」
「そこでネットで調べたり、同種の経験を持つ団体に視察を行ってみたが、『バーチカルが良い』という一方的な情報しか入手できない。」
「その上に、『バーチカルがよいと思うが、もともと簿冊管理であった状態から短期間の間でバーチカル方式に切り替えるためには大変なパワーと職員負担が不可欠だった。』という言葉も同時に聞かされることとなりました。」
「バーチカルの良し悪しはともかく、当町ではそれほど大きな負担を同僚に強いることはとてもできないと思う。」
「負担が大きくなりすぎないように、現在の簿冊形式のままでファイリングシステムを構築することはできないのだろうか・・・・・・と思ったりするのだが、それを後押ししてくれる資料や実例に行き当たらないので途方にくれている。」
というのが、何人もの方からお聞きしたお話に共通する内容です。
私共の今回のメールでのご質問は、このような窮状を抱えられている文書管理ご担当者に対し、適切なアドバイスを差し上げるための資料をプールすることを目的としていたのです。
有用な資料となり得る情報を入手するには、結果的に採用されることになったのがバーチカル式であれ、簿冊式であれ、選定に当たっての検討内容を、以下のように整理して質問をさせていただくべきでした。
1.ファイリングシステムを代表する2方式の定義
発生した文書を格納(バインド)する最小単位の用具をバーチカルフォルダとする前提で構築されるファイリングシステムを「バーチカルファイリングシステム(以下「VFS」と略します)」と言います。
また同様に文書1件を格納する最小単位の用具をバインダ(別名簿冊)とすることを前提に組み上げるファイリングシステムを「簿冊式ファイリングシステム(以下「BFS」と略す)」と言います。
2.VFS又はBFSのいずれかの採用を決定する過程で、上記1で行った定義に基づいたシステムの比較検討を行いましたか?
3.VFS導入を決定された団体では、導入以前にはバインダ(簿冊)を最小単位とする文書のまとめかた(括束=バインド方式)でしたか?あるいはバーチカルフォルダによるものでしたか?(全国的にはそれまで行っていたBFSが崩壊して、それの再構築をしたいという団体が思いのほか多いようです。)
4.過去の管理状態が悪かったから、この度新たにシステム構築をされたわけですが、悪い管理状態の原因になったのは文書を最小単位でまとめた用具が簿冊であったからですか?あるいはバーチカルフォルダだったからですか?それともこれら用具の上位にあるべきファイリングシステムへの取り組みに問題があったとお考えですか?
5.もともと簿冊・バインダを基礎用具に据えていたVFS採用団体では、導入期にバーチカルに移し替えるに際して大きな職員負担がかかったものと思いますが、具体的にどのような負担だったかをできるだけ詳細に教えて下さい。
またこのような負担増を考慮して、負担が半減するBFSによるファイリングシステム構築の検討はされませんでしたか?検討されなかった場合には、その理由を教えて下さい。
(まとめ)
以上の5点をお読みいただいた上で、今回送付した質問へのご回答をいただけますよう伏してお願い申し上げます。
最初から、上の目的と考え方をメールに書き込むべきだったと悔いております。
この点に付きご寛恕いただきご回答いただければ大変助かります。
すでに回答をいただいた団体様でも、以上の説明をお読みいただいて、回答内容が違ってくるようであれば、二度手間となり本当に申し訳ないのですが、再回答をお願いできればと思います。
文書管理通信編集委員
2019年7月16日 |