「情報管理」Vol. 55(2012) No. 11 内田勝也(公開日:2013年2月1日/2月号)
『情報システムリスクから考える事業継続計画(BCP)の考え方』
「情報管理」 Vol. 48(2005) No. 6 小川雄二郎(公開日:2005年9月1日/9月号)
特集:情報管理と災害対策 『総論:情報管理における危機管理のあり方』
2005年防災の日に公開された小川雄二氏の、『情報管理における危機管理のあり方』では、阪神淡路大震災、関東大震災(1923年)の2つの大規模災害を例に引きつつ、自然災害、戦争災害などで失われる官公庁の紙媒体を含む情報消滅の危機に対し、「リスクマネジメント」、「危機管理」の観点から根本的な対策を講じるべきであると提言しています。
また昨年2月に公開された内田勝也氏の論文では、2011年3月11日の東北大震災における情報被害に触れつつ、また今後想定される首都直下型地震や南海トラフ大地震に対する対策として、「事業継続計画(BCP)」が極めて重要な意味を持つことを論じ、事業継続に必須な情報資産を明確化し、各々に対して保全対策を講ずることを提言しています。
小川氏、内田氏の論文は、「危機管理(リスクマネジメント)」、「事業継続計画(Business Continuity Plan)」と、表現こそ違いますが、大規模災害に対する「情報(文書)そのものが完全消滅する」高い蓋然性を前提に、対策を講ずることを提案しているという意味では同内容と言ってよいでしょう。
現在の公共団体における「文書管理」の代名詞である「ファイリングシステム」や「レコードマネジメント」は、平時の文書(情報)管理の手法であると小職は考えますがいかがでしょうか?
無理もないとは思いますが、1000年に一度の大規模災害を前提にした(あるいは組み込んだ)手法ではないと思うのです。
両氏の論文は、官公庁における平時の「文書管理システム」に、危機管理、事業継続計画の観点を強引にでも差し込まなければならないと言っているように小職には思えるのですがいかがでしょうか?
私どもが主催する8月5日、7日のセミナーと機器、ソフトウェアの展示によって、ここまで述べた趣旨、すなわち「危機管理、事業継続計画を前提とした文書管理システム」について、来場される皆様が何かを持ち帰っていただけるよう精いっぱい努力いたします。
多数のご来場をお待ちしております。 |