資料保存対策上も蔵書構築上も、図書館・文書館にとってマイクロフィルムは大変重要な
媒体である。
このマイクロフィルムのベース(支持体)にTAC(トリアセテートセルロース)が使用されて
いた時期が長くあった。TACフィルムは特に保管条件がよくないと短命になり、保存・利用の用に立たなくなる危険性をはらんでいる。
フィルムがすでに酢(ビネガー)のにおいを発しているようなら症状は重く、すぐに治療(対処)が必要である。
今回の報告はマイクロフィルムのビネガー・シンドローム問題を中心に、各館で、
1)フィルム資料群を診断<調査>し、
2)必要な治療・予防計画を立てる
― その方途を概説する。
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